マンション・店舗のイタチ対策|共有部の扱いと管理会社・オーナーへの相談術

マンション・店舗のイタチ対策は「共有部のルールを最優先に、室内は安全確保と記録、構造は管理側で恒久封鎖」という役割分担が基本。初動は夜間の追い込み封鎖を避け、居室や売場を安全区画化(ドア下の隙間養生、点検口の一時遮断、餌源=残飯・ペットフード撤去)、被害ログ(足音の時間帯・臭い・天井シミ・糞の位置)と写真・録音・簡易見取り図を作る。集合建築での侵入ルートは、外壁通気口・排気ダクト周り、PS(パイプスペース)やEPSの隙間、屋上端部や外壁目地、基礎開口・駐車場天井、ゴミ置場、樹木や看板・配線を“橋”にしたバルコニー伝いが定番。専有部のDIYは室内側遮断と記録・清掃までに留め、共有部(外壁・屋根・屋上・PS・バルコニー手すり外側・通気口外枠)に金網やシールを打つ行為は無断で行わない。管理会社・オーナーへの相談術は「証拠パック」を整えて短文で要点提出が効く。①被害概況(いつ・どこで・何が:足音/臭気/シミ/糞)②在室の有無(録音・足跡粉・カメラで判定)③推定ルート(平面図に赤印)④リスク(天井材の抜け・電気配線咬傷・衛生)⑤希望スコープ(追い出し→日中の恒久封鎖→清掃・消毒→防臭シーラー→再監視)⑥仕様条件(SUS金網6〜9mm目+1.0〜1.2mmパンチング、内側からビス機械固定、ビスピッチ30〜50mm、ブチル等で微隙止め、雨仕舞いと換気量維持、一方向ゲートで“出し切り”確認後に本締め)⑦成果物(封鎖箇所一覧・写真付き報告書・保証1〜3年)。費用負担は原則、専有部内の清掃・消毒・内装補修は入居者(テナント)負担、共有部の恒久封鎖・外壁板金・屋上作業は管理組合やビル側負担が起点(賃貸は原状回復条項・特約を確認)。店舗はHACCP上の異物混入リスクが大きいため、営業時間外施工、養生・負圧集じん・動線分離、食材・資材の一時移動、作業後の拭き上げと記録を必須にし、汚染疑い品は廃棄判断を現場で即断する。薬剤は許可とSDS提示が前提で、強溶剤・空間噴霧の恒常運用は不可、オゾンは閉店後の無人在室・タイマー短時間のみ。管理側に依頼する際は、足場や高所作業・夜間割増・鍵管理・近隣周知(掲示)・緊急連絡網を見積書に明記させ、追加費用の発生条件(PS開口の開扉、外壁ALC補修、樋交換、在室が判明した際のゲート延長)をあらかじめ固定する。NGは、共有部の無断封鎖、発泡ウレタンや樹脂格子・虫網での代用、コーキング厚盛りで通気・排水を殺す、夜間の一斉封鎖で閉じ込める、毒餌・粘着板の無許可設置。最後に経路再発を防ぐ運用として、樹木剪定で外壁から30〜60cm離隔、ゴミ置場の施錠・清掃頻度の見直し、バルコニー放置物の削減、通気口の防獣化(管理側実施)を定例化。管理会社には「建物全体の出入口地図」「封鎖材料の品番・板厚・目開き」「保証と定期点検(1〜2週間モニタ→半年点検)」までをセットで依頼すれば、専有・共用の線引きを守りつつ、短期間で静穏と衛生を取り戻せる。

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